後鼻漏(こうびろう)の原因と鍼灸治療について-渋谷代官山鍼灸室-

耳鼻科疾患で「後鼻漏(こうびろう)」に悩まれている方がいます

なかなか薬だけでは改善されなく、生活に支障が出てしまいます

今回は「後鼻漏」についてと、鍼灸治療の方向性を書いていきます
どうぞ皆さまご参考にしてください☺︎

 

目次

後鼻漏(こうびろう)とは

後鼻漏の特徴的症状

後鼻漏の鍼灸治療について

症状を抑えるために自分でできること

 

後鼻漏(こうびろう)とは

鼻水がノドへ垂れてくる症状のことをいいます

本来、鼻水は、鼻腔を通って前方へ排出されますが
後鼻漏は、鼻水が後方へと流れてきてしまうことで

口の中へ流れ込んだ鼻水は
口から吐き出すか or 飲み込むしかなく

とても不快感を味わう症状になります

症状は一過性というよりも
常時、鼻水は垂れ続けるため
食事や仕事・睡眠をとっていても不快な症状を味わい続けることになってしまいます

 

後鼻漏の特徴的症状

鼻水がノドへ垂れる
咳込む・咳払いが続く(水が流れてくるため)
ノドの異物感・ノドが詰まる(水が流れてくるため)
イライラする
食事が美味しく食べれなくなる
寝れない(不眠症になりやすい)
集中力の低下
免疫低下
イライラから対人関係のトラブルにつながる

後鼻漏の鍼灸治療について

後鼻漏で鍼灸院に訪れる方は
それまでに病院で
検査とさまざまな治療法を試されている方がほとんどです

西洋医学(現代医学)での治療に限界を感じ
「鍼灸でなんとかならないものか」という気持ちで鍼灸院にお越しになります

これまで後鼻漏や上咽頭炎などに悩まれている方で
症状の程度はちがえど共通している点があります

「体力低下」
「体の芯が冷えている」
「心因的なストレスを抱えている」です

これらを踏まえて東洋医学で、
「後鼻漏」をどう捉えていくかということですが

常時、鼻水が垂れるということは、体のどこかに余分な水分が滞っている(余っている)と考えます

余分な水が「鼻粘膜」から出るということは
体を冷えから守る一種の防御反応とも考えられます

大方の後鼻漏の方は「舌」を診ると
白く、ボテっとしていて、人によっては歯形もついています
これは体が冷えているサインです

後鼻漏の方は大方、舌が真っ白だったり、膨らんでいたり、歯形があります

 

また、お腹(腹診)も診ると、内臓から伝わる芯の冷えが必ずあり
脈診をすると、冷えや虚弱を表現する脈拍を感じることが多いです

単純に、余分な「水分」は、行き場を失い鼻粘膜から垂れてきているのです
これを東洋医学では、「水滞(すいたい)」「水邪(すいじゃ)」「水毒(すいどく)」と呼びます

鍼灸治療では大まかな方向として、体を温める治療をしながら、
余分な水分を排出するような治療を施します

お灸で鼻粘膜を温めるのはもちろん
腹部の冷えを強く感じる箇所には、胃腸を温めるお灸の道具を使い

また、冷えの芯は足元まで波及しているはずですので
足元もお灸等で温め、気の巡りをよくする治療をおこないます

少し専門的になりますが
水分代謝を司る経絡や心因的なストレスを大きく抱えていることがあるため
適宜ふさわしいツボを選定し、鍼をしていきます

早い方で、治療が終わる1時間後には、その場で鼻水が垂れてくるのが止まります
咳払いや鼻水をすする動作もしなくなります

ご本人はとても喜びますが、これは鍼灸治療で気の巡りがよくなり
いっとき体の芯が温まっただけで、完治したのではありません

1週間・2週間と日が経つと、体は少しずつ虚弱方向へと向かい
水分も滞りやすくなるため、少しずつ後鼻漏の症状も出てきやすくなりますので
ご自分でも生活スタイルを見直すのが必須になります

このように後鼻漏の治療は期間を要しますが
ご本人の手応えは感じるはずですので、鍼灸受診の意欲は沸くはずです

 

症状を抑えるために自分でできること

バランスの取れた食事
十分な睡眠時間・休養
なるべくストレスを感じない生活

これらは当たり前のようですが
後鼻漏の方には、食事が偏っていたり
対人関係でトラブルを抱えていたりする方がいます

何かしらの心身へのストレスがあると
体の弱りから発症している後鼻漏症状は、強く出てしまいます

それと重要なのが「水分」の摂取方法です
適正な水分摂取量はとっても難しいです

あなたにとっての、適量を超えた水分摂取は
体を冷やし、先に述べました「水滞」「水邪」「水毒」へとつながり
後鼻漏症状を助長してしまいます

特にアルコール摂取の過多や
お水はからだに良いからとガブガブ飲む生活をしていると
後鼻漏は治りません

鍼灸治療を施しながら
ご自分の適正な水分量もお伝えし
数ヶ月単位で取り組んでいくのが後鼻漏の鍼灸治療です

 

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