婦人科系の悩みを抱えて
鍼灸でどうにかならないかと問い合わせをもらいます
排卵時に起こるジンジン・チクチクとした、
腰痛・腹痛・下腹部痛でお越しになる方がいます
今回は、排卵時の腰痛・腹痛・下腹部痛
そして、卵巣の腫れについて
記事を書いていきたいと思います
どうぞ皆さまご参考にしてください☺︎
目次
なぜ排卵時に、排卵痛(腰痛・腹痛・下腹部痛)は起こるの?
●排卵時の腹痛・下腹部痛
●排卵時の腰痛
排卵痛(腰痛・腹痛)はどんな鍼灸治療をするの?
●鍼灸治療の回数の目安について
●排卵痛の鍼灸治療の進め方
卵巣の構造と排卵について
卵巣は左右一個ずつ存在する生殖器の一部です
大きさはうずらの卵ほどになります
卵巣の中には「卵胞」という構造があり
脳から出される女性ホルモンの指令を受けて
卵胞内の卵細胞が成熟し「卵子」になります
この卵子を卵巣から排出させるのが「排卵」です
排卵日とは?
排卵日とは
成熟した卵子を卵巣から排出(放出)させる日のことです
排卵日はちょうど生理の2週間前(14日前)になります
排出される卵子は
卵子の元となる数十個の原始卵胞のうちたった1つだけです
また排卵は
左右どちらの卵巣から起こるかは決まっていません
排出(放出)された卵子は
卵管を通り精子と出会い受精卵となります
なぜ排卵時に、排卵痛(腰痛・腹痛・下腹部痛)は起こるの?
卵子を卵胞から排出(放出)する際に
卵巣の表面が炎症を起こしたり
破れた卵胞から卵胞液や血液が
腹膜(※)を刺激するからだと言われています
※腹膜
臓器(胃腸や生殖器など)を覆っている膜状の組織のことです
●排卵時の腹痛・下腹部痛
先述した通り
卵胞から卵子が排出される際の卵胞の炎症と
腹膜への刺激により
特に子宮周辺が刺激されると腹痛・下腹部痛を起こします
チクチクしたり、ジンジンしたり
個体差によって感じ方は様々のようですが
酷い方はうずくまってしまうとお話をされている方もいました
●排卵時の腰痛
先述した通り
卵胞から卵子が排出される際の卵胞の炎症と
背中側の腹膜への刺激により
腰痛を起こす方がいます
排卵時に起こりやすいその他の症状は?
腰痛・腹痛(下腹部痛)以外で
排卵時に起こりやすい症状は
・むくみ
・冷え
・倦怠感
・頭痛・頭重感
・吐き気
・気分がイライラ・落ち込む
・眠気
・便秘
などです
症状が単一であったり
症状がいくつか絡んで起こる方もおられます
ぎっくり腰のような
運動器疾患であれば単純に悪くなっている筋肉への
針治療で寛解していきますが
婦人科系疾患からくる腰痛・腹痛・下腹部痛は
治療方針が変わります
下腹部が痛いからといってお腹に針を刺しても良くなりません・・・
腰が痛いからといって腰に針を刺してもなかなか良くなりません・・・
●鍼灸治療の回数の目安について
1〜3回
排卵による腰痛・腹痛・下腹部痛は
その場で治療を受けて
1時間後には大方痛みが取れている場合が多く
大変喜ばれます
しかし、女性によっては2、3回の治療が必要な方もいます
また、痛みが強いとき
お仕事を休むのが許されるのであれば、、、
絶対安静が何よりです
●排卵痛の鍼灸治療の進め方
排卵痛は運動器疾患と違うため
腰痛の場合でも腰に針をしたからといって良くなりません
全身のツボを上手に使い分けることで
排卵痛をその場で取り去ることができます
そのため婦人科専門の鍼灸治療では
①腹診と②脈診、
そして③切診(1と2)を中心に治療を組み立てます
①腹診
お腹、特に下腹部を中心にお腹を触ります
左右の卵巣のどっちが腫れているか?など
炎症が激しければ皮膚の上からでも充分に腫れが確認できます
②脈診
手首の脈を診て
正気(ご自身がもっているエネルギーの強さ)を診ます
治療の途中に何度も脈を診て
エネルギーの流れ具合を確認しながら進めます
③-1切診
皮膚を撫でたり触って正気(ご自身のもっているエネルギーの強さ)を診ます
排卵痛の際に反応が出ているツボを見分け
押して痛かったり、凹んでいたりするのを確認し
治療箇所を決めます
良くあるのは、
押したツボが左側は痛いのに、右側は痛くないということがあります
患者さんご自身、左右の痛さの違いに驚きますが
こういった正気の乱れを見つけ
正しい箇所に針と灸を施していきます
③-2切診
足趾(足先のこと)を触れて
冷たかったら脚部にあるツボを使います
温かかったら背中にあるツボを使います
体の冷え方によりツボを使い分けることで
腰痛・腹痛・下腹部痛が瞬時に取れていきます
(お受けした方は驚かれます)
—
大まかにはこれらの診断技術を使って
排卵痛の鍼灸治療を進めていきます
適宜、鍼のみではなく、
排卵による痛みを取るためのお灸を使います
毎月、排卵の腰痛・腹痛・下腹部痛を繰り返す方は・・・
体質改善が必要になります
鍼灸治療を月に2回程度受けてもらいます
それと併行して
治療を受けていない日は
私が必要なツボにマーカー(点をつけます)しますので
必ず毎日お灸を据えてもらい体質改善をしていきます
また
日々の生活の過ごし方により
排卵痛は大きく変わっていきます
そのため、治療中は色々お話をさせていただき
過ごし方のアドバイスをします
体を冷やす食べ物や水分の取り過ぎなどに留意してもらい
明るく笑顔のある生活を送ってもらうようにしていきます
※blog 排卵痛(卵巣の腫れ)から来る腰痛を、鍼灸で緩和する(20代女性 患者)
排卵時(排卵痛)に起こる腰痛・腹痛・下腹部痛の鍼灸治療はこちら
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